ROV テザーの選び方(標準4対とスリム1対の比較)

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ROVテザーの選び方|標準(4対)とスリム(1対)の違い

2026年8月16日


テザーは、ROV と船上をつなぐケーブルです。機体を引き戻す綱であり、通信線でもあります。
Blue Robotics の Fathom テザーには、ツイストペアが4対の標準タイプと、1対のスリムタイプがあります。太さも取り回しもかなり違うので、用途に合わせて選びます。
どちらも被覆は発泡ポリウレタンで、淡水ではほぼ中性浮力です(海水ではわずかに浮きます)。機体を引き下ろす向きに力がかからないので、ROV の姿勢を乱しにくいのが特徴です。
Fathom テザーで ROV と船上をつないだ使用例

標準(4対)とスリム(1対)の比較

項目 Fathom ROV テザー 標準(4対) Fathom スリムテザー(1対)
ツイストペア 4対(Cat5 相当) 1対
外径 7.6 mm 4.0 mm
重量 0.043 kg/m 0.012 kg/m
被覆 発泡ポリウレタン 発泡ポリウレタン
浮力 淡水で中性、海水でわずかにプラス 淡水で中性、海水でわずかにプラス
線材 26 AWG 26 AWG
常用張力 35 kgf 35 kgf
破断張力 155 kgf 155 kgf
最小曲げ直径(使用時) 75 mm 25 mm
DC抵抗(20℃) 0.127 Ω/m 0.146 Ω/m
定格電圧 300 VDC 300 VDC
適合ペネトレーター M10 7.5mm 高圧縮HC M06 4.5mm 高圧縮HC / M10 4.5mm 高圧縮HC
商品ページ 切り売り/コネクター付き 切り売り/コネクター付き

張力はどちらも 35 kgf で同じです。細いから弱い、ということはありません。違うのは DC抵抗で、スリムのほうがわずかに大きくなります。長い距離で電力を送る用途では、標準タイプが有利です。

どちらを選ぶか

  • BlueROV2 をそのまま使う、またはイーサネットをフルに使いたいなら、標準(4対)です。
  • Fathom-X 1本で通信が足りる、または機体が小さいなら、スリム(1対)です。
  • 流れが強い場所で使うなら、スリム(1対)です。外径が約半分なので、テザーが流れに引かれる力が小さくなります。
  • 小さなスプールに巻きたいなら、スリム(1対)です。曲げ直径は 25 mm まで許容します。
  • 長い距離で電力も送るなら、標準(4対)です。

切り売りと、コネクター付きの完成品

テザーは 1 m 単位の切り売りと、両端を処理したコネクター付きの完成品の2通りで扱っています。

商品 中身
Fathom ROV テザー(メートル単位) 1 m 単位の切り売り。1対と4対を選べます
Fathom ROV テザー(ROV仕様) 長さ指定の完成品。25、50、100、150、200 m から選べます
Fathom スプール 巻き取り用。スリップリング内蔵で、回しながら最大8本を接続できます(IP67)

スプールは標準が 150 m、ラージが 300 m まで収容できます。巻いたまま通信できるので、繰り出しながらの運用が楽になります。
スプールに巻いた Fathom テザーを繰り出しながら使う例

テザーを自分で処理する場合


ケーブルジャケットストリッパーとWetLink ケーブルスプライスキット、それに上の表の適合ペネトレーターが要ります。発泡被覆はやわらかいため、ペネトレーターは強く締める側(HC)が指定されています。

参考仕様はメーカー(Blue Robotics)の公表値をもとに、当店で日本語に整理しました。価格・在庫は各商品ページ(ショップ)でご確認ください。

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石田一浩

石田一浩(Ishida Kazuhiro)

株式会社チック(宮城県仙台市)代表取締役。Blue Robotics社の日本正規代理店として、水中ドローン・ROV・USV(水上ドローン)の開発・修理・販売を全国対応で手がける。現場での運用支援や講習も行う。▶ 詳しいプロフィール: https://www.rov-fun.com/kazuhiro-ishida/

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