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WetLinkペネトレーターの選び方

2024年2月18日

WetLink ペネトレーター(WLP)は、防水エンクロージャーの壁を貫いてケーブルを通しながら、その隙間から水が入らないようにするための部品です。ゴムのシールをプラグで締め上げ、ケーブルの被覆に密着させて止水します。

対応するケーブル外径は 3.7〜9.8 mm。メーカー(Blue Robotics)の公表値では耐圧水深 1000 m、設計寿命は 3年または定格水深まで500サイクルです。

このページでは、お手元のケーブルに合う型番の選び方を、当店で扱っている品番と対応させながらご説明します。

WetLink Penetrator選定ツール|ケーブル径から自動検索
WetLink Penetrator選定ツール|ケーブル径から自動検索

WetLink Penetrator 選定ツール このページでは、お使いのケーブル外径(mm)を入力するだけで、適合するWetLink Penetrator(WLP)を自動で検索・表示することができま

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まずはケーブルの外径から選びます

選び方の入口はひとつだけ、ケーブルの外径(被覆の外側の直径)です。ノギスで測って、下の早見図で自分の数字がどの帯にかかるかを見てください。

ケーブル外径3.7〜9.8mmに対するWetLinkペネトレーターの早見図

シール径は 4.5・5.5・6.5・7.5・8.5・9.5 mm の6種類。それぞれに高圧縮(HC)低圧縮(LC)のプラグがあり、HC のほうが 0.5 mm 細いケーブルを締められます。各サイズの許容差が ±0.3 mm あるので、帯どうしは少しずつ重なります。

重なっているところに当たったら

同じシール径の HC と LC が重なっている範囲なら、どちらでも構いません。シール径そのものが変わる境目に当たった場合は、導線が太いなら大きいほうのシール径を選んでください。シール径が大きいほど、導線を通す穴も大きくなります。

各部の名前

表を読むときに必要になるので、先に名前を揃えておきます。

ペネトレーターの各部

WetLinkペネトレーターの各部(バルクヘッド・シール・プラグ・ナット・Oリング)

ケーブルの各部

ケーブルの各部(被覆・導線・外径)

シール径とプラグ圧縮

WetLinkペネトレーターのシール径6種と、高圧縮HC・低圧縮LCのプラグ

左から 4.5・5.5・6.5・7.5・8.5・9.5 mm。同じシール径でも、下段のプラグが HC と LC の2種類に分かれています。

バルクヘッドのねじサイズ(M06 / M10 / M14)

取り付ける穴の大きさで決まります。

  • M06… Ping ソナーや Lumen ライトのような小さな機器の穴に。推奨する下穴は 6.2 mm
  • M10… いちばん多く使われるサイズ。エンクロージャーのエンドキャップに空いている標準の穴に合います。推奨する下穴は 10.2 mm
  • M14… T500 スラスターのような太いケーブル用。推奨する下穴は 14.2 mm

穴のサイズが合わないときは、WetLink バルクヘッドアダプターで M06→M10 や M10→M14 に変換できます。使わない穴はWetLink ペネトレーター ブランク(穴なし)でふさぎます。

サイズ索引表

シール径・ねじサイズ・プラグ圧縮の組み合わせと、それぞれが適合するケーブル外径の一覧です。当店の品番と税込価格を並べてあります。

シール径 バルクヘッド プラグ圧縮 適合ケーブル外径 導線を通す穴 当店品番 税込
4.5 mm M06 高圧縮 HC 3.7〜4.3 mm 3.3 mm ROV6361 ¥2,750
4.5 mm M10 高圧縮 HC 3.7〜4.3 mm 3.3 mm ROV6365 ¥2,750
4.5 mm M06 低圧縮 LC 4.2〜4.8 mm 3.3 mm ROV6360 ¥2,750
4.5 mm M10 低圧縮 LC 4.2〜4.8 mm 3.3 mm ROV6366 ¥2,750
5.5 mm M10 高圧縮 HC 4.7〜5.3 mm 4.0 mm ROV6367 ¥2,750
5.5 mm M10 低圧縮 LC 5.2〜5.8 mm 4.0 mm ROV6368 ¥2,750
6.5 mm M10 高圧縮 HC 5.7〜6.3 mm 4.8 mm ROV6369 ¥2,750
6.5 mm M10 低圧縮 LC 6.2〜6.8 mm 4.8 mm ROV6370 ¥2,750
7.5 mm M10 高圧縮 HC 6.7〜7.3 mm 5.7 mm ROV6375 ¥2,750
7.5 mm M10 低圧縮 LC 7.2〜7.8 mm 5.7 mm ROV6380 ¥2,750
8.5 mm M10 高圧縮 HC 7.7〜8.3 mm 6.5 mm ROV6385 ¥2,750
8.5 mm M10 低圧縮 LC 8.2〜8.8 mm 6.5 mm ROV6390 ¥2,750
9.5 mm M14 高圧縮 HC 8.7〜9.3 mm 7.5 mm ROV6400 ¥3,600
9.5 mm M14 低圧縮 LC 9.2〜9.8 mm 7.5 mm ROV6405 ¥3,600

すべてWetLink ペネトレーターのページから、サイズを選んでご購入いただけます。

メーカーが適合を確定させているケーブル

メーカーが実際に試験して、使うべきペネトレーターを確定させているケーブルの一覧です。他社製のケーブルも含まれます。ここに載っているケーブルをお使いなら、外径を測らずにそのまま選べます。

ケーブル 外径 被覆 適合するペネトレーター 当店の取り扱い
Fathom スリムテザー(1対) 4.0 mm PUR発泡 M06 4.5mm 高圧縮HC
M10 4.5mm 高圧縮HC
商品ページ
Lumen・グリッパー用ケーブル(3芯 22AWG) 4.5 mm PUR M06 4.5mm 低圧縮LC
M10 4.5mm 低圧縮LC
商品ページ
Ping 用ケーブル(4芯 24AWG) 4.5 mm PUR M06 4.5mm 低圧縮LC
M10 4.5mm 低圧縮LC
商品ページ
Ping360 用ケーブル (UTP3対 28AWG) 4.7 mm PUR M10 4.5mm 低圧縮LC 商品ページ
Ping360 用ケーブル (UTP3対 26AWG) 5.5 mm PUR M10 5.5mm 低圧縮LC 商品ページ
chainflex CF9(CF9-02-06)/IGUS 製 5.4 mm TPE M10 5.5mm 低圧縮LC
T200 スラスター用ケーブル(3芯 16AWG) 6.4 mm PUR M10 6.5mm 低圧縮LC 商品ページ
Etherline 2170300/LAPP 製 6.3 mm PUR M10 6.5mm 低圧縮LC
Fathom ROV テザー(4対) 7.6 mm PUR発泡 M10 7.5mm 高圧縮HC 商品ページ
イーサネット+電源ケーブル 7.5 mm PUR M10 7.5mm 低圧縮LC 商品ページ
chainflex CF9(CF9-02-12)/IGUS 製 7.7 mm TPE M10 8.5mm 高圧縮HC
大電力ケーブル(2芯 12AWG) 8.3 mm PUR M10 8.5mm 低圧縮LC 商品ページ
T500 スラスター用ケーブル(3芯 12AWG) 9.0 mm PUR M14 9.5mm 高圧縮HC 商品ページ

Ping360 用ケーブルは新旧で外径が違います

メーカーが 2025年7月に仕様を変更し、外径 4.7 mm・28 AWG から 5.5 mm・26 AWG になりました。適合するペネトレーターも 4.5 mm LC から 5.5 mm LC に変わります。当店では新旧どちらもお取り扱いしていますので、お手元のケーブルがどちらかを確かめてからお選びください。

Fathom テザーだけは早見図どおりになりません

Fathom ROV テザー(4対)は外径 7.6 mm ですが、適合するのは 7.5 mm HC(早見図では 6.7〜7.3 mm)です。被覆が発泡素材でやわらかいため、強く締める側が指定されています。早見図どおりに LC を選ぶと、締めが足りず漏れの原因になります。

表にないケーブルを使う場合

他社のケーブルや自作のケーブルでも使えますが、実際に組んで確かめる手順が要ります。

1. 外径を測る

被覆の外側をノギスで測ります。ケーブルは真円でないことがあるので、向きを変えて2〜3か所測り、いちばん大きい値を使ってください。

ノギスでケーブル外径を測っているところ

ケーブル外径の測り方(別角度)

2. 早見図で当てる

測った外径を早見図に当てます。仕上がりはケーブルによって変わるので、本命のほかにひとつ上とひとつ下も用意して試すと確実です。

3. 導線が穴を通るか確かめる

バルクヘッドの後ろから導線を差し込んでみます。通らなければ、ひとつ上のシール径の HC に上げてください。シール径が大きいほど穴も大きくなります。プラグがケーブルにきつくて入らない場合も同じです。

4. 組み立てて引っ張る

組み立てたあと、2〜4.5 kg ほどの力で5秒ほど引っ張ります。抜けてしまう場合は、締めが足りないか、被覆が滑りやすいかのどちらかです。同じシール径の HC に替えるか、被覆をアルコールで拭いて新しい部分でやり直してください。

5. 一晩おいて、被覆の潰れ具合を見る

ここがいちばん大事です。組んだまま6時間以上(できれば一晩)置いてから分解し、被覆の凹み方を下の3枚と見比べます。

ちょうどよい

ちょうどよい圧縮の例。被覆が均等に凹み、導線は傷んでいない

被覆が均等に凹み、導線は傷んでいません。この状態なら確実に止水できます。

締めが足りない

圧縮が足りない例。被覆の凹みが浅く、漏れたり引っ張ると抜けたりする

凹みが浅く、漏れたり引っ張ると抜けたりします。同じシール径の HC に替えて、ケーブルの新しい部分でやり直してください。

締めすぎ

圧縮が強すぎる例。被覆が潰れすぎてケーブルや導線を傷めるおそれがある

潰れすぎで、ケーブルや導線を傷めるおそれがあります。LC に替えて、ケーブルの新しい部分でやり直してください。

6. 真空テストをしてから使う

実際に潜らせる前に、必ずエンクロージャーの真空テストで漏れがないことを確かめてください。

被覆の材質や構造でも変わります

同じ外径でも、次のような条件で必要な締め具合が変わります。表の値はあくまで出発点として考えてください。

  • 被覆の材質… やわらかい被覆ほど強く締める必要があります。発泡素材の被覆は、表の指定より強い側(HC)が向きます
  • ケーブルの構造… 中身が詰まったケーブルは締めが少なくて済み、すき間の多いケーブルは強く締める必要があります
  • 被覆の表面… つるつるした被覆はシールがうまく食いつかず、引っ張ると抜けやすくなります
  • 使用温度… おおむね 60〜70℃ を超える環境では、シールと被覆の両方がへたって締め付けが落ちていきます

JPT(外被そのまま貫通型)との違い

同じ WetLink でも、ケーブルを被覆ごと通せるタイプがあります。

JPTは被覆ごとケーブルを通し、標準タイプは被覆を剥いて導線だけを通す

上が JPT、下が標準タイプです。標準タイプは被覆を剥いて導線だけを内側に通すので、すでに両端にコネクターが付いているケーブルには使えません。JPT ならケーブルを切らずにそのまま通せます。

WetLinkペネトレーターJPTの適合ケーブル外径の早見図

JPT はシール径 4.5・5.5・6.5 mm の3種類、ねじは M10 のみです。低圧縮 LC の上限が標準タイプより 0.1 mm 狭い(5.5 LC は 5.2〜5.7 mm、6.5 LC は 6.2〜6.7 mm)ので、標準タイプの数字をそのまま当てはめないでください。

JPT を使うときの注意

メーカーは JPT について、ケーブルの組み合わせごとに推奨する最大水深を温度別に分けて公表しています。標準タイプより浅い水深が推奨されている組み合わせもあるため、深い水深で使う予定がある場合は事前にご相談ください。

当店ではWetLink ペネトレーター JPTもお取り扱いしています。

組み立てに使う工具と締付トルク

ねじサイズ バルクヘッドの二面幅 バルクヘッドの締付 プラグの六角 プラグの締付
M06 12 mm 1 N・m 11 mm 14 N・m
M10 16 mm 3.5 N・m 11 mm(4.5 mm)/14 mm(5.5〜8.5 mm) 14 N・m
M14 20 mm 3.5 N・m 18 mm 20 N・m

WetLink バルクヘッドレンチWetLink ペネトレーター プラグレンチケーブルジャケットストリッパーWetLink ケーブルスプライスキット

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価格は2026年08月16日時点の税込価格です。最新の価格・在庫は各商品ページでご確認ください。仕様はメーカー(Blue Robotics)の公表値をもとに、当店で日本語に整理したものです。早見図は当店で作成しました。

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石田一浩

石田一浩(Ishida Kazuhiro)

株式会社チック(宮城県仙台市)代表取締役。Blue Robotics社の日本正規代理店として、水中ドローン・ROV・USV(水上ドローン)の開発・修理・販売を全国対応で手がける。現場での運用支援や講習も行う。▶ 詳しいプロフィール: https://www.rov-fun.com/kazuhiro-ishida/

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