はじめに
Surveyor 240-16は、BlueBoatやその他の小型USVに最適な、コンパクトでコストパフォーマンスに優れたマルチビーム音響測深機です。
セルリアン・サーベイヤー マルチビーム・エコーサウンダー
最大水深50メートルまでの測深に対応し、内蔵のIMUにより荒波の中でもピッチやロールを自動補正し、正確な測定結果を提供します。
SonarViewソフトウェアと組み合わせることで、海底の3D点群データをリアルタイムで生成でき、水深調査や海底マッピングに活用できます。
ポイント
マウントブラケットのほか、BlueBoatへの設置に必要なハードウェアとケーブルが付属しています。
※操作には、BlueBoatに搭載されたイーサネットスイッチが必要です。
製品概要
Cerulean Surveyorは、BlueBoatを高性能な測深・海底マッピングシステムへと変貌させるマルチビーム音響測深機です。
Surveyorの最大の特長は、他のマルチビーム音響測深機と比べて、圧倒的に手頃な価格を実現している点です。
マルチビーム・エコーサウンダーとは?
マルチビーム音響測深機は、海底や水中の地形をマッピングするために使用されるソナーの一種です。
シングルビーム音響測深機が 真下の1点の深度しか測定できないのに対し、マルチビーム音響測深機は一度に多数の深度データを取得できるため、広範囲を迅速かつ高精度にマッピングすることが可能です。
深海マッピング
Surveyorは、240kHzの音波を80度の広い範囲に発信することで、広範囲の海底を迅速にマッピングすることができます。
その後、16素子の受信アレイで反射波(エコー)を受信します。返ってきたエコーの強さと到達時間をもとに、システムは1回の音波発信から海底の広い領域における各点の角度と深度を算出します。
通常は船体直下で最大50メートルの深度まで測定可能で、理想的な条件下ではそれ以上の範囲もカバーできます。
船の前進運動と組み合わせることで、これらの深度データは点群として形成され、水中地形の詳細な3Dマップの作成に利用されます。
内蔵された9軸慣性計測ユニット(IMU)がピッチやロールの影響を補正するため、波の高い海域でもBlueBoatの動きによってデータが歪むことはありません。
アルミニウム製のハウジングは 最大水深300メートルまで対応しており、AUV(自律型無人潜水機)での使用も可能です(※その際は追加の部品が必要です)。
SonarViewによるデータの効率化
Surveyorは、Cerulean製のSonarViewソフトウェアと連携して動作します。SonarViewは、測量中に取得したデータをリアルタイムで点群として可視化し、効率的なマッピングを実現します。
また、BlueBoatから取得した方位情報やGNSS位置データを深度測定と組み合わせることで、各ポイントを正確な地理座標に配置することができます。
すべてのソナーデータはBlueBoat本体に直接記録され、後から再生したり、CSV形式の点群データやGSF形式としてエクスポートすることが可能です。
これにより、以下のようなソフトウェアで後処理やマッピングが行えます。
- ReefMaster や SonarWiz などによる後処理とマップ作成
- CloudCompare のような点群可視化ソフトウェアによる3D表示
- 多くの水路測量向けソフトウェアとの互換性
BlueBoat対応
SurveyorをReefから直接購入すると、マウントブラケットをはじめ、BlueBoatへの設置に必要なすべてのハードウェアとケーブルが付属します。
Surveyorはイーサネット接続でBlueBoatと通信するため、イーサネットスイッチも別途必要です。
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技術詳細
仕様一覧
パラメータ | 値 |
---|---|
電気的仕様 | |
供給電圧 | 10〜30V |
最大待機時消費電力 | 5W |
最大消費電力 | 15W |
音響特性 | |
トランスデューサ周波数 | 240kHz |
進行方向TXビーム幅 | 4° |
横方向TXビーム幅 | 80° |
横方向ビーム幅 | 7°(従来のビームフォーミング) |
横方向角度分解能 | 1°(到達角度) |
RXアレイエレメント | 16 |
最大測定範囲 | 50m |
範囲分解能 | 範囲設定の0.5% |
通信 | |
インターフェース | 100Base-Tイーサネット |
ソフトウェア | SonarView |
アプリケーション・プログラミング・インターフェース | APIドキュメント |
最大通信帯域幅 | 450kbps |
ツール | |
互換性のあるバルクヘッドレンチ | M10(BR-100977-010) |
バルクヘッド/ナットレンチの平面幅 | 16mm |
推奨取り付けトルク | 3.5Nm |
物理的仕様 | |
耐水深度¹ | 300m |
WetLinkペネトレーターサイズ | M10-4.5MM-LC |
推奨スルーホール径 | 10.2mm |
M10バルクヘッドOリングサイズ | AS568-013 ブナ-N 70A |
空気中の重量² | 790g |
水中の重量² | 145g |
注記:
¹ 深度定格は、Surveyorユニットのみに適用されます。ケーブル端のWetLinkペネトレーターを交換することで、完全な深度定格を達成できます。
² 重量には、取り付けブラケットや統合ハードウェアは含まれていません。
2D図面
測量士 240-16