テザー中性浮力計算

テザーケーブルの長さと比重から中性浮力に必要なフロート数・間隔を算出。

要点テザーの長さ・外径・空中重量・水種と、フロートの純浮力から水中総重量・必要フロート数・等間隔配置を算出します。テザーを円柱とみなし 1 m あたりの排水量で中性浮力化を設計。Blue Robotics Fathom 各種のプリセットに対応します。

テザーが水中で沈むと ROV を引き下げ、操縦性と推力効率を損ないます。逆に浮きすぎると水面で抵抗になります。フロートを適切な数・間隔で取り付け、中性浮力に近づけることが安定運用の鍵です。

このツールは、テザーの長さ・外径・空中重量・水種と、使用するフロートの純浮力から、水中総重量・必要フロート数・等間隔配置を算出します。Fathom 各種テザー/フロートのプリセットにも対応しています。

テザー仕様

使用するフロート

沈降 — フロート必要
空中総重量
5.20kg
浮力(排水質量)
4.65kg
水中総重量
0.55kg
5.50 g/m
必要フロート数
8
等間隔 配置
12.50m

※ 円柱断面で排水量を近似し、フロート自重は公称の純浮力に含めた前提です。実ケーブルは撚り・外皮・内部空気量で密度が変わり、フロート配置では端点付近 (ROV 側) は重心の都合で間隔を狭めるのが一般的です。最終的には実水槽での調整を推奨します。

  1. テザー仕様を指定プリセット (Fathom Slim / ROV / HD) から選ぶか、長さ・外径・空中重量を手動で入力します。水種 (海水/淡水) も選択。
  2. フロートを指定使用するフロートの 1 個あたり純浮力 (g) をプリセット選択または手動入力。
  3. 配置数と間隔を確認必要フロート数と等間隔配置時の間隔 (m) が表示されます。実運用ではこれを目安に微調整してください。

テザーを円柱とみなし、1 m あたりの排水量(浮力)を空中重量から引いて水中重量を求め、必要なフロート数を算出します。

排水量/m = ρ × π × (外径 ÷ 2)² (外径は m に換算)
水中重量/m = 空中重量/m − 排水量/m
水中総重量 = 水中重量/m × 長さ
必要フロート数 = ⌈ 水中総重量(g) ÷ フロート純浮力(g) ⌉
等間隔 = 長さ ÷ 必要フロート数

ρ = 水の密度(海水 1025・淡水 1000 kg/m³)。フロート自重は公称の純浮力に含む前提。水中総重量が負なら浮き気味(おもりが必要)。

水中総重量が正なら沈み(フロートが必要)、負なら浮き気味(おもりが必要)、ほぼ 0 なら中性近辺です。必要フロート数は水中総重量をフロート 1 個の純浮力で割って切り上げた数、等間隔配置はテザー長をその数で割った間隔の目安です。実際にはフロート自重・ケーブルの撚りや内部空気で密度が変わるため、ROV 側(端点付近)は間隔を詰めるなど、最終調整は実水槽で行ってください。海水は淡水より約 2.5% 浮力が大きく、同じテザーでも淡水ではより沈みやすくなります。

例:Fathom ROV テザー(外径 7.6 mm・空中 52 g/m)100 m を海水で、純浮力 70 g のフロートで中性化する場合

排水量 (1 m あたり)1025 × π × (0.0076 ÷ 2)² ≈ 0.0465 kg/m = 46.5 g/m
水中重量 (1 m あたり)52 − 46.5 = 5.5 g/m
水中総重量 (100 m)5.5 × 100 ÷ 1000 = 0.55 kg → 沈降
必要フロート数550 g ÷ 70 g = ⌈7.86⌉ = 8 個
等間隔 配置100 ÷ 8 = 12.5 m 間隔

Fathom ROV テザー 100 m を海水で中性浮力にするには、純浮力 70 g のフロートが約 8 個・12.5 m 間隔が目安です。

中性浮力
テザーが水中で沈みも浮きもせず漂う状態。ROV の取り回しと推力負担を最小化する。
純浮力 (Net Buoyancy)
フロート自体の重量を差し引いた、実際に得られる上向きの力(g 換算)。
排水量
テザーが押しのける水の質量。円柱断面 × 長さ × 水の密度で近似する。
空中重量 (g/m)
テザー 1 m あたりの空気中での重量。カタログ値または実測値。
Fathom Tether
Blue Robotics の ROV 用テザー。Slim (6.4 mm) / 標準 (7.6 mm) / HD (10 mm) などがある。

フロート間隔が狭くなりすぎた場合は?

1 個の浮力が小さい証拠です。大型フロートに切り替えるか、低比重のテザーに変更するのが現実的です。

等間隔以外の配置でも良い?

実運用では ROV 近くを密に、中間部を疎にする配置が多いです。このツールは必要「総量」の目安で、実配置は水槽テストで最終調整してください。

空中重量はカタログ値でOK?

基本 OK ですが、撚り・被覆・内部空気で誤差が出る場合があります。実測 (秤 + 1 m サンプル) が最も正確です。

内部空気の影響は?

中空テザーは見かけの比重が下がり、より浮きやすくなります。密封されていればカタログの排水量を使って OK。

Fathom ROV テザー 100m には何個のフロートが必要?

外径 7.6mm・空中 52 g/m を海水で評価すると水中重量は約 5.5 g/m、100m で約 0.55kg です。純浮力 70g のフロートなら約 8 個・12.5m 間隔が目安になります(テザーやフロートの仕様で変わります)。

テザーが浮きすぎる場合は?

水中総重量が負(浮き気味)なら、フロートを減らすか、おもりを追加します。低比重・大外径のテザーや、空気を含む構造で起こりやすくなります。
精度・免責について:本ツールは工学計算の補助を目的とした理論値です。実運用では環境・機器の個体差・温度などにより結果が異なります(±10〜20% 程度のマージンを見込んでください)。安全に関わる判断は実機・実測で必ず検証し、本ツールの結果のみに依存しないでください。