ROV に機器を増設すると重心 (COG) が動き、前後・左右の傾きや、スラスターが姿勢維持に余分な推力を使う原因になります。設計・改造の前に重心位置を把握しておくことが重要です。
このツールは、各機器の質量と位置 (X, Y, Z) から ROV 全体の重心を加重平均で算出し、目標位置からのずれも表示します。機器の追加・削除・編集にリアルタイムで対応します。
単位
座標系の推奨: X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+(ROV 幾何中心を原点)
機器リスト
| 機器名 | 質量 | X | Y | Z | |
|---|---|---|---|---|---|
目標 COG(任意)
※ 単純重心計算です。姿勢安定性は浮力中心 (CoB) と COG の位置関係で決まるため、浮力計算ツール と併用してください。COG が CoB より下にあると ROV はロール/ピッチ方向に復元モーメントを持ちます。
使い方
- 単位を選ぶ質量 (g / kg) と位置 (mm / cm / m) の単位を選択します。
- 機器ごとに入力機器名・質量・位置 (X = 前方+ / Y = 右舷+ / Z = 上方+) を入力。原点は ROV の幾何中心を推奨。
- 重心とずれを確認総質量と COG (X, Y, Z) が表示され、目標 COG を指定するとずれ (ΔX, ΔY, ΔZ と距離) が算出されます。
計算式・原理
各機器の質量で重み付けした位置の平均(加重平均)が全体の重心 (COG) です。
mᵢ = 各機器の質量、xᵢ / yᵢ / zᵢ = その位置。座標系は X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+、原点は ROV 幾何中心を推奨。
結果の読み方
COG (X, Y, Z) は機器の質量で重み付けした重心位置です。Y(左右)と Z(上下)が原点近くにあり、X(前後)のずれも小さいほど姿勢が安定します。目標 COG を入れると、各軸のずれ ΔX / ΔY / ΔZ と合成距離が表示されます。重心が後方や片側に寄っている場合は、反対側にウェイトを足すか機器配置を見直します。なお姿勢の安定は重心 (COG) と浮力中心 (CoB) の位置関係で決まり、COG が CoB より下にあるほど復元力が働くため、浮力計算ツールと併用してください。
計算例
例:初期構成(電子回路・バッテリー・スラスター 4 基、質量 g・位置 mm)の場合
| 総質量 | (3200 + 4500 + 350×4) = 9100 g = 9.1 kg |
|---|---|
| COG X | Σ(質量×X) ÷ 総質量 = −360000 ÷ 9100 ≈ −39.56 mm(後方寄り) |
| COG Y | 左右対称のため 0 mm |
| COG Z | Σ(質量×Z) ÷ 総質量 = 14000 ÷ 9100 ≈ 1.54 mm |
| 目標 (0,0,0) からのずれ | √(39.56² + 0² + 1.54²) ≈ 39.59 mm |
重心が後方に約 40 mm 寄っているため、前方にウェイトを足すかバッテリーを前寄りに配置すると水平姿勢へ近づきます。
用語
- 重心 (COG, Center of Gravity)
- 全機器の質量を 1 点に集約したときの釣り合い点。加重平均で求める。
- 浮力中心 (CoB, Center of Buoyancy)
- 押しのけた水の体積の中心。COG との上下関係が姿勢安定を決める。
- 加重平均
- 各値を重み(ここでは質量)で重み付けして平均する計算。
- 復元モーメント
- 傾いた機体を元の姿勢へ戻そうとする回転力。COG が CoB より下だと働く。
- 座標系
- X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+。原点は ROV 幾何中心を推奨。