ペイロード重心 (COG) 計算

機器の質量と位置から ROV 全体の重心を算出。機器増設時の姿勢安定性確認に。

要点各機器の質量と位置 (X, Y, Z) から、加重平均で ROV 全体の重心 (COG) と目標位置からのずれを算出します。Y(左右)・Z(上下)が原点近くで X(前後)のずれが小さいほど姿勢が安定し、重心 (COG) が浮力中心 (CoB) より下にあるほど復元力が働きます。

ROV に機器を増設すると重心 (COG) が動き、前後・左右の傾きや、スラスターが姿勢維持に余分な推力を使う原因になります。設計・改造の前に重心位置を把握しておくことが重要です。

このツールは、各機器の質量と位置 (X, Y, Z) から ROV 全体の重心を加重平均で算出し、目標位置からのずれも表示します。機器の追加・削除・編集にリアルタイムで対応します。

単位

座標系の推奨: X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+(ROV 幾何中心を原点)

機器リスト

機器名質量XYZ

目標 COG(任意)

総質量
9.100kg
COG X
-39.56mm
COG Y
0mm
COG Z
1.54mm
目標からのずれ
39.59mm
ΔX=-39.56 / ΔY=0 / ΔZ=1.54

※ 単純重心計算です。姿勢安定性は浮力中心 (CoB) と COG の位置関係で決まるため、浮力計算ツール と併用してください。COG が CoB より下にあると ROV はロール/ピッチ方向に復元モーメントを持ちます。

  1. 単位を選ぶ質量 (g / kg) と位置 (mm / cm / m) の単位を選択します。
  2. 機器ごとに入力機器名・質量・位置 (X = 前方+ / Y = 右舷+ / Z = 上方+) を入力。原点は ROV の幾何中心を推奨。
  3. 重心とずれを確認総質量と COG (X, Y, Z) が表示され、目標 COG を指定するとずれ (ΔX, ΔY, ΔZ と距離) が算出されます。

各機器の質量で重み付けした位置の平均(加重平均)が全体の重心 (COG) です。

総質量 M = Σ mᵢ
COG_x = Σ(mᵢ · xᵢ) ÷ M (Y・Z も同様)
目標からのずれ = √(ΔX² + ΔY² + ΔZ²)

mᵢ = 各機器の質量、xᵢ / yᵢ / zᵢ = その位置。座標系は X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+、原点は ROV 幾何中心を推奨。

COG (X, Y, Z) は機器の質量で重み付けした重心位置です。Y(左右)と Z(上下)が原点近くにあり、X(前後)のずれも小さいほど姿勢が安定します。目標 COG を入れると、各軸のずれ ΔX / ΔY / ΔZ と合成距離が表示されます。重心が後方や片側に寄っている場合は、反対側にウェイトを足すか機器配置を見直します。なお姿勢の安定は重心 (COG) と浮力中心 (CoB) の位置関係で決まり、COG が CoB より下にあるほど復元力が働くため、浮力計算ツールと併用してください。

例:初期構成(電子回路・バッテリー・スラスター 4 基、質量 g・位置 mm)の場合

総質量(3200 + 4500 + 350×4) = 9100 g = 9.1 kg
COG XΣ(質量×X) ÷ 総質量 = −360000 ÷ 9100 ≈ −39.56 mm(後方寄り)
COG Y左右対称のため 0 mm
COG ZΣ(質量×Z) ÷ 総質量 = 14000 ÷ 9100 ≈ 1.54 mm
目標 (0,0,0) からのずれ√(39.56² + 0² + 1.54²) ≈ 39.59 mm

重心が後方に約 40 mm 寄っているため、前方にウェイトを足すかバッテリーを前寄りに配置すると水平姿勢へ近づきます。

重心 (COG, Center of Gravity)
全機器の質量を 1 点に集約したときの釣り合い点。加重平均で求める。
浮力中心 (CoB, Center of Buoyancy)
押しのけた水の体積の中心。COG との上下関係が姿勢安定を決める。
加重平均
各値を重み(ここでは質量)で重み付けして平均する計算。
復元モーメント
傾いた機体を元の姿勢へ戻そうとする回転力。COG が CoB より下だと働く。
座標系
X=前方+ / Y=右舷+ / Z=上方+。原点は ROV 幾何中心を推奨。

座標系の原点はどこに置くべき?

ROV の幾何中心を推奨。浮力中心 (CoB) とほぼ一致するため、姿勢安定の判断が直感的になります。

COG と CoB (浮力中心) の関係は?

COG が CoB の真下にあるほどロール / ピッチ復元モーメントが大きく、姿勢が安定します。前後左右のずれは姿勢の偏りに直結。

スラスターの質量も入力する?

はい、全ての機器を含めてください。推進力は動的影響ですが、重心計算では静質量として扱います。

重心がズレている時の対処法は?

追加ウェイトの配置で補正するのが一般的。前後ズレなら反対側に、左右ズレなら対応する側にウェイトを追加します。

X / Y / Z 軸の向きは?

X=前方+、Y=右舷+、Z=上方+ です。原点は ROV の幾何中心を推奨します。COG X が負なら後方寄り、Z が正なら重心がやや上にあることを意味します。

姿勢が前のめり・片側に傾く原因は?

重心が前後(X)や左右(Y)に偏っているのが主因です。偏った反対側にウェイトを足すか、重い機器(バッテリー等)を中心寄りに再配置すると水平に近づきます。
精度・免責について:本ツールは工学計算の補助を目的とした理論値です。実運用では環境・機器の個体差・温度などにより結果が異なります(±10〜20% 程度のマージンを見込んでください)。安全に関わる判断は実機・実測で必ず検証し、本ツールの結果のみに依存しないでください。