浮力 / ペイロード計算

空中重量と体積から浮力・水中見かけ重量・中性浮力に必要なフロート量を算出。

要点空中重量・体積・水種から、アルキメデスの原理で浮力(排水量)・水中見かけ重量・中性浮力に必要なフロート量を算出します。見かけ重量が正なら沈降、負なら浮上、ほぼ 0 で中性浮力。密度は海水 1025・淡水 1000 kg/m³。

ROV やセンサー機材は、空中での重量と、水中で受ける浮力(押しのけた水の重さ)のバランスで、沈む・浮く・中性のいずれかになります。中性浮力に近いほど姿勢が安定し、スラスターの負担と消費電力を抑えられます。

このツールは、空中重量と体積・水種から、浮力・水中見かけ重量・中性浮力に必要なフロート量を算出します。さらに「ROV 全体 中性浮力シミュレーター」で全搭載機器をまとめて入力し、機体全体の浮沈と必要フロート量を設計できます。

単体オブジェクト

沈降
浮力 (質量換算)
0.922kg
浮力 (力)
9.05N
水中見かけ重量
0.078kg
中性浮力に必要なフロート
75.6cm³
機器重量 (g)体積 (cm³)
沈降
総重量
10.500kg
総体積
9.70L
浮力 (質量換算)
9.943kg
水中見かけ重量
0.557kg
追加フロート必要量
544cm³

※ フロート自体の質量は 0 と仮定した理論値です。実際には発泡材の比重 (例: 0.32 g/cm³) を考慮して、ここに示した体積の 1.3〜1.5 倍を目安にしてください。

  1. 対象の重量と体積を入力空中での重量を g または kg で、体積を cm³ / mL / L / m³ のいずれかで入力します。
  2. 水種を選ぶ海水 (1025 kg/m³) または淡水 (1000 kg/m³) を選択します。汽水域では海水寄りの値を目安に。
  3. ROV 全体で中性浮力を確認下のシミュレーターに ROV の全機器を追加すると、総重量 / 浮力 / 見かけ重量 / 追加必要フロート量が一括表示されます。

アルキメデスの原理に基づき、物体が押しのけた水の質量(排水量)が浮力になります。

排水量(浮力・質量換算) B = ρ × V
浮力(力)        F = ρ × V × g
水中見かけ重量      W_app = m − ρV
中性浮力に必要なフロート V_float = W_app ÷ ρ (沈む場合のみ)

ρ = 水の密度(海水 1025・淡水 1000 kg/m³)、V = 体積 (m³)、m = 空中質量 (kg)、g = 9.80665 m/s²。W_app が正で沈降、負で浮上、ほぼ 0 で中性浮力。

水中見かけ重量がプラス(空中重量 > 浮力)なら沈降、マイナスなら浮上、ほぼ 0 なら中性浮力です。沈む場合に表示される「中性浮力に必要なフロート」は、不足分の浮力を補うのに必要な正味のフロート体積で、フロート自体の重量を 0 と仮定した理論値です。実際の発泡材(EVA など、比重 0.32 前後)はそれ自身に重量があるため、表示体積の 1.3〜1.5 倍を目安に見込んでください。海水(1025 kg/m³)は淡水(1000 kg/m³)より約 2.5% 浮力が大きいため、淡水で中性でも海水ではわずかに浮き気味になります。「ROV 全体 中性浮力シミュレーター」に全機器の重量・体積を入れると、機体全体の浮沈と追加フロート必要量を一括で確認できます。

例:空中重量 1.0 kg・体積 900 cm³ の機材を海水(1025 kg/m³)で評価した場合(単体オブジェクトの初期値)

排水量(浮力・質量換算)1025 × 0.0009 = 0.9225 kg(表示は 0.922)
浮力(力)0.9225 × 9.80665 ≈ 9.05 N
水中見かけ重量1.000 − 0.9225 = 0.0775 ≈ 0.078 kg → 沈降
中性浮力に必要なフロート0.0775 ÷ 1025 ≈ 0.0000756 m³ = 75.6 cm³

わずかに沈むため、約 76 cm³ 以上の正味浮力をもつフロートが必要です。発泡材の自重を見込むと、実際は 100 cm³ 前後を目安にしてください。

浮力 (Buoyancy)
物体が押しのけた水の重さに等しい上向きの力(アルキメデスの原理)。水の密度 × 排除体積で決まる。
排水量
物体が押しのけた水の質量。浮力(質量換算)に等しい。
水中見かけ重量
空中質量から浮力(排水量)を引いた、水中で実際に感じる重さ。正なら沈み、負なら浮く。
中性浮力
浮力と重量が釣り合い、水中で静止する状態。ROV の操縦性・省電力の理想。
比重
対象物質の密度と基準(通常は水)の密度の比。発泡フロート材は 0.3 前後で水に浮く。

体積はどう測定すればいい?

3D CAD があれば体積を直接読み取れます。物理的には水に沈めて排水量を計測する (アルキメデスの原理) のが最も確実です。

フロート自身の重量は考慮されますか?

いいえ、理論値は「フロート質量 = 0」の前提です。実際は EVA 発泡材 (比重 0.32 前後) が一般的で、提示された体積の 1.3〜1.5 倍を目安にしてください。

水温で密度は変わりますか?

はい、4°C で最大密度。海水の密度は水温と塩分で 1020〜1028 kg/m³ の範囲で変動します。本ツールは 15°C / 35 PSU の標準値を使用。

海水と淡水で浮力はどれくらい違いますか?

海水(1025 kg/m³)は淡水(1000 kg/m³)より密度が約 2.5% 高く、同じ体積でも浮力が約 2.5% 大きくなります。淡水で中性に調整した機体は、海水ではわずかに浮き気味になります。

中性浮力にすると何が良いのですか?

浮力と重量が釣り合うと、スラスターが上下方向の姿勢維持に推力を使わずに済み、消費電力が減り、操縦性とホバリング安定性が向上します。

入力に使える単位は?

重量は g / kg、体積は cm³ / mL / L / m³ に対応します。内部では SI(kg・m³)に換算して計算します。
精度・免責について:本ツールは工学計算の補助を目的とした理論値です。実運用では環境・機器の個体差・温度などにより結果が異なります(±10〜20% 程度のマージンを見込んでください)。安全に関わる判断は実機・実測で必ず検証し、本ツールの結果のみに依存しないでください。