テザー電圧降下計算

AWG・ケーブル長・電流から、ROV 末端に到達する電圧と損失電力を計算します。

要点AWG・ケーブル長・電流・入力電圧から、テザー往復(2×L)の銅導体抵抗で電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率を算出します。判定目安は損失率 10% 未満=良好 / 10〜20%=注意 / 20% 以上=危険。BlueROV2 標準テザーは AWG20 です。

ROV への給電はテザーケーブルを往復するため、ケーブルの電気抵抗によって末端(ROV 側)の電圧が低下します。長距離潜航や高電流機器を複数同時に動かすと、末端電圧が機器の動作下限を割り込み、リブートや推力低下を招くことがあります。

このツールは AWG サイズ別の銅導体抵抗から、電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率を即座に求めます。安全なケーブル選定と運用電流の判断にお使いください。

入力パラメータ

計算結果

危険
電圧降下
33.23V
末端到達電圧
14.77V
損失電力
166.15W
損失率
69.2%
ループ抵抗
6.646Ω

※ 20°C 銅導体 · 往復経路(2×L)で算出。判定閾値: 良好 <10% / 注意 10–20% / 危険 ≥20%。

AWGΩ/m (片側)電圧降下 (V)末端 V損失 (W)損失率
AWG 80.002062.0645.9410.304.3%
AWG 100.003283.2844.7216.396.8%
AWG 120.005215.2142.7926.0510.9%
AWG 140.008298.2939.7141.4317.3%
AWG 160.0131813.1834.8265.9027.5%
AWG 180.0209520.9527.05104.7543.6%
AWG 200.0332333.2314.77166.1569.2%
AWG 220.0528952.890.00264.45110.2%
AWG 240.0842284.220.00421.10175.5%
AWG 260.13390133.900.00669.50279.0%
AWG 280.21290212.900.001064.50443.5%
  1. パラメータ入力ケーブル長 (m)、AWG サイズ、電流 (A)、入力電圧 (V) を入力します。BlueROV2 標準テザーは AWG20 を選んでください。
  2. 判定を確認電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率と、良好 / 注意 / 危険 の判定バッジを確認します。損失率 10% 未満が推奨です。
  3. AWG 比較で最適化AWG 別比較表で全サイズを同条件比較し、予算と損失のバランスで最適な太さを選びます。

直流回路のオームの法則に基づき、往復(2×ケーブル長)の銅導体抵抗から損失を計算します。

ループ抵抗 R_loop = 2 × L × r(AWG)
電圧降下  ΔV = I × R_loop
末端到達電圧 V_end = max(0, V_in − ΔV)
損失電力  P_loss = I × ΔV (= I² × R_loop)
損失率   Loss% = ΔV ÷ V_in × 100

L = 片道ケーブル長 (m)、r(AWG) = 20°C 銅導体の単位長あたり抵抗 (Ω/m)、I = 電流 (A)、V_in = 入力電圧 (V)。

損失率が判定の目安です。10% 未満=良好10〜20%=注意20% 以上=危険。末端到達電圧が機器の動作下限(システムにより異なります。スラスターの最低動作電圧や、搭載 DC-DC コンバータの最小入力電圧が目安)を下回ると、リブートや推力低下を招きます。その場合は AWG を太く(番号を小さく)する・ケーブルを短くする・電流を下げる・入力電圧を上げる、のいずれかで改善します。複数スラスターのピーク電流が重なる瞬間を想定し、平常時の損失率は 10% 未満に抑えておくと安全です。

例:BlueROV2 標準の AWG20 テザー、片道 100m、電流 5A、入力 48V の場合

ループ抵抗2 × 100 × 0.03323 = 6.646 Ω
電圧降下5 × 6.646 = 33.23 V
末端到達電圧48 − 33.23 = 14.77 V
損失電力5 × 33.23 = 166.15 W
損失率33.23 ÷ 48 = 69.2 % → 危険

この条件では損失率が高すぎます。AWG を太くする・電流を下げる・入力電圧を上げる等で 10% 未満を目指します(上の比較表で各 AWG を同条件比較できます)。

AWG(American Wire Gauge)
北米標準の電線径規格。番号が小さいほど導体が太く、単位長あたりの抵抗が低い。
電圧降下
ケーブル抵抗により電源から末端までに失われる電圧。長さ・電流・抵抗に比例。
損失率
入力電圧に対する電圧降下の割合 (%)。ケーブル選定の良否判断に用いる。
ループ抵抗
給電線と帰線の往復ぶん(2×長さ)を合算したケーブル抵抗。
テザー
ROV と母船を結ぶ給電・信号ケーブル。BlueROV2 標準は AWG20 相当。

BlueROV2 標準テザーは AWG いくつですか?

電源ラインは AWG20 相当のツイストペアが標準です。延長や特殊構成では AWG18 や AWG22 もあります。

判定の閾値は?

損失率 10% 未満で良好、10-20% で注意、20% 以上で危険。長潜航やパワフルな機器では 10% 未満を目安にしてください。

ケーブル長は片道ですか、往復ですか?

片道を入力してください。内部では往復分 (×2) を自動で加算して計算しています。

温度による抵抗変化は考慮されますか?

現状は 20°C 銅導体での基準値です。実運用では温度上昇で数 % 抵抗が増加するため、結果に 5-10% のマージンを見込んでください。

AWG20 で 100m・5A だと電圧はどれくらい落ちますか?

20°C 銅で片道 100m・5A の場合、ループ抵抗は約 6.65Ω、電圧降下は約 33V です。入力 48V なら末端は約 15V・損失率は約 69% で「危険」になります。長距離・高電流では太い AWG や高い入力電圧が必要です。

電圧降下を減らすには?

AWG を太く(番号を小さく)する・ケーブルを短くする・電流を下げる・入力電圧を上げる、のいずれかです。供給電力が同じなら高電圧ほど電流が下がり、損失(I²R)を大きく減らせます。

交流(AC)でも使えますか?

本ツールは直流(DC)給電が前提です。ROV テザーは通常 DC 高電圧で送り、末端で DC-DC 降圧する構成が一般的です。交流の表皮効果や力率は考慮していません。
精度・免責について:本ツールは工学計算の補助を目的とした理論値です。実運用では環境・機器の個体差・温度などにより結果が異なります(±10〜20% 程度のマージンを見込んでください)。安全に関わる判断は実機・実測で必ず検証し、本ツールの結果のみに依存しないでください。