テザー電圧降下計算

AWG・ケーブル長・電流から、ROV 末端に到達する電圧と損失電力を計算します。

要点AWG・ケーブル長・電流・入力電圧から、テザー往復(2×L)の銅導体抵抗で電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率を算出します。判定目安は損失率 10% 未満=良好 / 10〜20%=注意 / 20% 以上=危険。BlueROV2 標準テザーは AWG26 です。

ROV への給電はテザーケーブルを往復するため、ケーブルの電気抵抗によって末端(ROV 側)の電圧が低下します。長距離潜航や高電流機器を複数同時に動かすと、末端電圧が機器の動作下限を割り込み、リブートや推力低下を招くことがあります。

このツールは AWG サイズ別の銅導体抵抗から、電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率を即座に求めます。安全なケーブル選定と運用電流の判断にお使いください。

入力パラメータ

計算結果

危険
電圧降下
13.39V
末端到達電圧
10.61V
損失電力
6.69W
損失率
55.8%
ループ抵抗
26.780Ω

※ 20°C 銅導体 · 往復経路(2×L)で算出。判定閾値: 良好 <10% / 注意 10–20% / 危険 ≥20%。

AWGΩ/m (片側)電圧降下 (V)末端 V損失 (W)損失率
AWG 80.002060.2123.790.100.9%
AWG 100.003280.3323.670.161.4%
AWG 120.005210.5223.480.262.2%
AWG 140.008290.8323.170.413.5%
AWG 160.013181.3222.680.665.5%
AWG 180.020952.1021.911.058.7%
AWG 200.033233.3220.681.6613.8%
AWG 220.052895.2918.712.6422.0%
AWG 240.084228.4215.584.2135.1%
AWG 260.1339013.3910.616.6955.8%
AWG 280.2129021.292.7110.6488.7%
  1. パラメータ入力ケーブル長 (m)、AWG サイズ、電流 (A)、入力電圧 (V) を入力します。BlueROV2 の標準テザー(Fathom)は 26AWG です。AWG26 を選んでください。
  2. 判定を確認電圧降下・末端到達電圧・損失電力・損失率と、良好 / 注意 / 危険 の判定バッジを確認します。損失率 10% 未満が推奨です。
  3. AWG 比較で最適化AWG 別比較表で全サイズを同条件比較し、予算と損失のバランスで最適な太さを選びます。

直流回路のオームの法則に基づき、往復(2×ケーブル長)の銅導体抵抗から損失を計算します。

ループ抵抗 R_loop = 2 × L × r(AWG)
電圧降下  ΔV = I × R_loop
末端到達電圧 V_end = max(0, V_in − ΔV)
損失電力  P_loss = I × ΔV (= I² × R_loop)
損失率   Loss% = ΔV ÷ V_in × 100

L = 片道ケーブル長 (m)、r(AWG) = 20°C 銅導体の単位長あたり抵抗 (Ω/m)、I = 電流 (A)、V_in = 入力電圧 (V)。

本ツールが使用している AWG 別の導体抵抗(軟銅・20 °C 基準)と、テザー長 100 m での往復抵抗です。

AWG公称断面積 (mm²)導体抵抗 (Ω/m)100 m 往復抵抗 (Ω)
88.370.0020610.412
105.260.0032770.655
123.310.0052111.042
142.080.0082861.657
161.310.013182.636
180.8230.020954.190
200.5180.033236.646
220.3260.0528910.58
240.2050.0842216.84
260.1290.133926.78
280.08100.212942.58

AWG26 が BlueROV2 の標準テザー(Fathom)相当です。往復抵抗 = 2 × ケーブル長 × 導体抵抗(テザーは往路と復路の 2 本を電流が通るため)で、電圧降下 = 電流 × 往復抵抗。導体温度が上がると抵抗も増える(銅は約 +0.4 %/°C)ため、高負荷時は余裕を見てください。 ★このツールが計算するのは電圧降下だけです。その電線に流してよい電流(許容電流)はメーカーが公表しておらず、本ツールでは判定していません。束ねる・巻いたまま流す・高温になる条件では、電圧降下に問題がなくても電線が傷みます。

損失率が判定の目安です。10% 未満=良好、10〜20%=注意、20% 以上=危険。末端到達電圧が機器の動作下限(システムにより異なります。スラスターの最低動作電圧や、搭載 DC-DC コンバータの最小入力電圧が目安)を下回ると、リブートや推力低下を招きます。その場合は AWG を太く(番号を小さく)する・ケーブルを短くする・電流を下げる・入力電圧を上げる、のいずれかで改善します。複数スラスターのピーク電流が重なる瞬間を想定し、平常時の損失率は 10% 未満に抑えておくと安全です。

例:BlueROV2 標準テザー(Fathom・26AWG)、片道 100m、電流 0.5A、入力 24V の場合

ループ抵抗2 × 100 × 0.1339 = 26.78 Ω
電圧降下0.5 × 26.78 = 13.39 V
末端到達電圧24 − 13.39 = 10.61 V
損失電力0.5 × 13.39 = 6.69 W
損失率13.39 ÷ 24 = 55.8 % → 危険

この条件では損失率が高すぎます。AWG を太くする・電流を下げる・入力電圧を上げる等で 10% 未満を目指します(上の比較表で各 AWG を同条件比較できます)。

AWG(American Wire Gauge)
北米標準の電線径規格。番号が小さいほど導体が太く、単位長あたりの抵抗が低い。
電圧降下
ケーブル抵抗により電源から末端までに失われる電圧。長さ・電流・抵抗に比例。
損失率
入力電圧に対する電圧降下の割合 (%)。ケーブル選定の良否判断に用いる。
ループ抵抗
給電線と帰線の往復ぶん(2×長さ)を合算したケーブル抵抗。
テザー
ROV と母船を結ぶ給電・信号ケーブル。BlueROV2 標準は AWG26 相当。

BlueROV2 標準テザーは AWG いくつですか?

Fathom 標準テザーは 4 対すべて 26AWG(0.14mm²)です。メーカー公表の導体抵抗は 20°C で 0.127 Ω/m。本ツールの表は AWG 規格値(26AWG = 0.1339 Ω/m)なので、約 5% 大きめ(安全側)に出ます。

判定の閾値は?

損失率 10% 未満で良好、10-20% で注意、20% 以上で危険。長潜航やパワフルな機器では 10% 未満を目安にしてください。

ケーブル長は片道ですか、往復ですか?

片道を入力してください。内部では往復分 (×2) を自動で加算して計算しています。

温度による抵抗変化は考慮されますか?

現状は 20°C 銅導体での基準値です。実運用では温度上昇で数 % 抵抗が増加するため、結果に 5-10% のマージンを見込んでください。

26AWG で 100m・0.5A だと電圧はどれくらい落ちますか?

20°C 銅で片道 100m・0.5A の場合、ループ抵抗は約 26.8Ω、電圧降下は約 13V です。入力 24V なら末端は約 11V・損失率は約 56% で「危険」になります。標準テザーは通信用で、電力を送る設計ではありません。機体側にバッテリーを積むか、電圧を上げて電流を抑える専用の給電システムを使います。

電圧降下を減らすには?

AWG を太く(番号を小さく)する・ケーブルを短くする・電流を下げる・入力電圧を上げる、のいずれかです。供給電力が同じなら高電圧ほど電流が下がり、損失(I²R)を大きく減らせます。

交流(AC)でも使えますか?

本ツールは直流(DC)給電が前提です。ROV テザーは通常 DC 高電圧で送り、末端で DC-DC 降圧する構成が一般的です。交流の表皮効果や力率は考慮していません。
精度・免責について:本ツールは工学計算の補助を目的とした理論値です。実運用では環境・機器の個体差・温度などにより結果が異なります(±10〜20% 程度のマージンを見込んでください)。安全に関わる判断は実機・実測で必ず検証し、本ツールの結果のみに依存しないでください。